2005.9.30
豊田自動織機ヨット部 児玉芭晴
2005スナイプ全日本選手権を終えて
2005年スナイプ全日本選手権を終えての感想を書かせていただきます。
まず、当社ヨット部スナイプ級(ミストラル級でも活動)では、本年7月の蒲郡の世界選手権を目指して
1年半前からプロジェクト活動を開始しました。その計画の中に全日本選手権の奪取も含まれており、計画では昨年の蒲郡でタイトルを獲得する予定ではありましたが、加原・上田チームの2連覇に阻まれました。しかしながら1年遅れで念願のタイトルを獲得できたことは大変に光栄なことであり、
当社ヨット部としても約40年ぶりの快挙となりました。
先般のスナイプ世界選手権における松崎・杉浦組の準優勝と合わせ、今回私達が全日本のタイトルを獲得することができ、社の内外から多くのお祝いの言葉をいただき、感激しています。
今回の一連の挑戦にあたり、綿密な活動計画をたてました。その後はPDCAサイクルで計画を徹底的にフォローしつづけました。やると決めたことは全て実行したつもりです。とくに今までの弱点を分析して、ボートスピードの飛躍的な向上と、それをレースで出せることに力を注ぎました。その為に大きなレースには極力参加することも計画に入れ、福岡での西日本ウィークには2年連続(松崎チームが2年連続優勝)で参加しています。今回も福岡でレースをやることに何の違和感も感じなかったことも勝因のひとつです(風が全てわかるということではありません。土地になじんでいただけです)
上記のようなプランで世界選手権、全日本の両大会で自分達の実力を発揮できたと思っております。
今回の全日本選手権を振り返ると、私達のチームは夏の世界選手権での予想風域にターゲットを絞って活動してきた成果が出て、3〜6m/sの前半戦5レースで1位を3回、3位を1回とることができ、前半戦でかなり楽な展開になりました。後半の強風域では練習で克服できなかったリーチングでかなり抜かれて苦戦しましたが、殆どクローズで抜き返すことができました。リーチングは今後の最重要課題です。
他チームですが、2位の瀬戸口組は強風での抜群のスピードと振れタックの正確性には驚かされました。3位の白石組はムラの無いスピードと安定したタクティクスで2位につけ、8レース目にはスタートから抑えあいました。スタート後のハプニングによりこちらがかなり有利になり、私達に運があったと思います。4位の武居組はリーチングが本当に素晴らしく、今後の中部水域を引っ張ってくれると思います。5位の高村組は本当に落ち着いていて、視野が広く2人とも元全日本チャンプというドリームチームです。6位の加原組もいつもながらの加原君の気迫と、女性クルーの磯部さんの活躍が素晴らしかったです。加原君はきっと将来オリンピッククラスで活躍してくれると信じています(できればスター級とかで)。
その他にも超がつくベテランセーラーの活躍や、西居さんの強風でトップを走る素晴らしい気合など見せていただきました。
本当に幅広い年齢層と色々なキャラクターの選手(チーム)がいて、楽しかったです。
スナイプクラスは色々な楽しみ方があり、セーリングとしてはとてもベーシックなことが学べて
初心者の方にも向いていると思いますし、ベテランにはベテランなりに奥が深くとても楽しめます。それと皆さん共通だと思いますが、ハイクアウトの苦しさとレースを終えた時の脱力感も最高!です。
また、最近の小さい人ばかりが集まる高校ヨット界の種目にも、もう一度採用すべきだと個人的には強く思います。オリンピックにだってキールボートが必ず存在するじゃないですか。そういう選手も育てていいと思いますし、FJにトラピーズは少々強引ですよね。
ヨットを始めてちょうど20年目に全日本タイトルを獲得できました。FJ、470と乗り継いできて、まさかスナイプでチャンピオンになれるとは思いませんでしたが、今は最高の気分です。本当に面白く、勉強になるクラスです。470オリンピックチャレンジの時も、スナイプを知っていたらもっと上手くなれたことと思います(負け惜しみですが)。他のクラスの方もどんどんチャレンジして頂ければ、
面白さがきっとわかってもらえると思います。
今後チャンピンオンを目指すスナイプセーラーの皆さんへアドバイスですが、全日本の時は大きな車で来ることをお薦めします。ともてセダンでは入り切らないほどの大きさと、とても重たい歴史が
つまった優勝カップが用意されているからです(しかも大小合わせて3つくらい)
もちろん、当面は当社ヨット部が、大きなトラックで愛知に持ち返るつもりですが。。。。。。。。。
長くなりましたが、
今回の素晴しいレースを企画、運営してくださったスナイプ協会、福岡県連の皆様。
普段よりご支援をいただいている会社と職場の皆様、
セール開発に絶大なるサポートを頂いたノースセールの皆様、
高校の恩師である、望月さん、樋口さん、渡辺さん、同期の皆さん
大学の恩師である加藤さん、小池さん、蒲田さん、先輩・後輩、同期の皆さん。
臨時特別コーチングを実施してくれた石橋君。
いつもお世話になっている地元海陽ヨットハーバーのみなさん。
ハイレベルなレースで私達を鍛えてくださった中部水域のレース委員、セーラーのみなさん。
今回全日本で一緒に戦ったスナイプセーラーのみなさん。
プロジェクトの綿密な計画とフォローをしてくださったヨット部の中野部長、
私のわがままと、夏冬問わず問答無用の練習日数に付き合ってくれたヨット部メンバー。
多くの皆様のお蔭で高校時代からの悲願であった全日本タイトル(日本一)を獲得することが出来ました。本当にありがとうございました。紙面をお借りして厚く御礼申し上げます。