2004女子世界選手権レポート

山口 綾子

戸田 みゆき

 

 

ノルウェーで開催された Womens World Championship へ出場。

結果は5位でした。

山口は昨年のチームレースワールド以来久々のレース。戸田は4年前大学ヨット部引退後初めてのレースでした。不安を感じつつ無謀な挑戦と思われましたが、今回の結果は大学ヨット部で鍛えられたからこその成果だと感じました。

大学ヨット部を引退後、女の子はヨットを続けることなく大学4年間だけで終えてしまう人がほとんどだと思います。なかなか環境づくり等難しいかもしれませんが、私達の様に卒業後もヨットを続けていく人が増えていくことを願っていますし、女子ヨット界を少しでも盛り上げていければと思います。

女性の方は機会があれば是非、女子ワールドへ挑戦してみてください。スナイプの楽しさを実感出来るハズです。

 

 

7月22日

受付・計測・ボート受取り・練習

 マッチレース修行でデンマークに行っている、OP時代からの友人の中村匠くんがバスで8時間かけてノルウェーの大会会場まで来てくれました。彼のサポートがあったからこそ、この遠征も無事に終えることができたと思います。初のピアッソン艇で不安に感じる点も多々ありましたが、ボートの受取りから、チューニング、ボートワーク、セーリング、セールチェックに至るまで、彼には様々な面でコーチングしていただきました。

 艇体トラブル等があり、夕方から1時間程度の出艇でしたが、戸惑うことなく濃い内容の練習が出来ました。この日の風は6〜8ノットで、琵琶湖のような風のフレだと感じました。

 

7月23日

レース初日

 海面は鏡のようで、風の吹いてくる気配が全くありませんでした。

一日中風待ちの末、ノーレースです。

 

7月24日

第1レース

 午前中は風待ちでAP旗が揚がり陸待機。

その後、風も上がり風速12〜16ノットで15時前に第1レースが行われました。外国人選手にとってはベストなコンディションですが、自艇にとっては辛い風の中のスタートになりました。出場選手は120〜140キロはザラですが、私達ペアは若干87キロ。何といっても、今大会出場選手の中で文句なしの最小・最軽量ペアなのです。

しかし、軽量ペアにもメリットはあります。

第1マークを5位で回航し、上下のレグで前へ出ることに成功。第2マークはトップで回航。次の上マークに向かう間に4位まで落ちましたが、上−下のレグで抜き去り、またしても下マークをトップで回航。フィニッシュラインに向かう上りで抜かれ、結局は4位フィニッシュ。クローズはさすがに辛い!の一言でした。

第2レース

 更に風速があがってきたものの、1レース目と同じ様な展開で6位フィニッシュ。時折、風にあおられながらの帆走でしたが、強風のセッティングも匠コーチのおかげで、しっかりパワーダウンさせた走りが出来ました。

第3レース

 強風の疲れと体力のなさを感じながら13位フィニッシュ。久々のレースが強風というのは辛いです。ノルウェーは22時頃まで日が沈みません。この日は20時頃に第3レースが終了しました。

 

7月25日

第4レース

 この日は朝から風があり、定刻通りにスタート。風速12〜16ノットで前日同様、自艇にとってベストなコンディションではありませんでした。後半は体力が続かない事は前日で分かったので、1発目は風にも負けずスタートから集中。結果は4位でしたが、強風でのこの順位は上出来だと思いました。また、強風時の波の立ちかたや風のフレが琵琶湖と似ていたため、それほど走りにくいとは感じませんでした。大学4年間琵琶湖で練習してきたかいがありました。

第5レース

 第1マークはなんとかシングルで回航し、サイドマークを5位で回航。今回もサイド−下のレグで前へ出る予定でしたが、サイドマーク回航直後、ジュリーに42条をとられ720度回転のペナルティを履行しました。ジャイブ中、メインをあおったとの指摘をうけました。その後のレースは言うまでもなく、ほとんど静止状態でフリーのレグを帆走することになりました。フィニッシュは8位。しかし、着艇すると、私達にプロテストするすると言いに来たチームが2チームも現れ、驚きました。

1つ目のケースは、スタート直前の上下の関係で下にいたNOR艇がラフィングしてきました。NOR艇は下の艇から突き上げられてラフィングしてきたのだと思い、自艇はとっさの判断で接触を回避するため、NOR艇のスターンを通りそのままスタートしました。自艇もプロテストしなければならないケースにも関わらず、スタートすることに精一杯で気にしていませんでした。その後、NOR艇はやはり他艇とのケースでプロテストされペナルティを履行。結果的にそのケースは私達のせいだと抗議され、しかも接触があったとみなされ不本意にも失格。

2つ目のケースは、スタート後JPN艇が急にタックを返したため、USA艇と接触したというケースで抗議され、再度審問の場へ。USA艇はバウに穴があいていました。この件に関し、審問で説明を求められましたが、身に覚えのない事であり、他艇と間違えて抗議されたのだと伝えた。その後、ジャッジの方々と私達のボートを見に行きました。艇体のキズを見つけ、USA艇との接触時の損傷ではないかと指摘されましたが、ボート受取りの際にキズの証拠写真を撮っていたので、接触時のものとは認められず、何とか自艇とのケースでないことを信じてもらえました。しかし、USA艇はJPN艇であることに間違いはないと言い、翌朝、弥永・石川組がプロテストに呼ばれ、ケースの件に関して聞かれていました。結局JPNチームとのケースではなく、USA艇が誰とケースをおこしたのかは分からないままでした。

 

7月26日

 午前中は風待ちで陸待機。

黒く、足の速い雲が気になりつつも昼過ぎに出艇。前線が来ると分かれば、一時着艇するのかと思いました。しかし、運営側は平然としており、前線通過で風と雨が激しくなる中、海上待機。雨にうたれて寒かったです。

前線通過後、軽風の中でのスタート。上マークを回航する頃には無風でノーレースになりました。

 

7月27日(レース最終日)

第7レース

 この日も午前中は陸待機でした。たいてい午後からしか風が吹いてこないので、レースが出来るかどうか心配していました。昼ごろからそよそよとブローが降りてきて、風速4〜6ノット。最終日でやっと得意な風でレースが出来ると思い、やる気満々な私達は、いつも出艇は最後のほうだったにも関わらず、この日は早くに出艇しました。

42条を警戒しながらのレース展開でしたが、USA艇と競いながら第1マークを2位で回航し、そのまま前へ出ることができず2位フィニッシュ。

第8レース

 第1マーク回航順位は2位。RUS艇に上−下のレグで追いつくことはできませんでしたが、クローズ勝負で勝ちトップでフィニッシュ。やはり、外国の選手は体格がいいためか、強風で前を走っていたチームのほとんどが軽風では苦しい走りをしていました。逆にJPNチームは順位を上げてきているように思いました。

第9レース

 スタートのポジション取りに失敗し、苦しい展開になりそうでしたが、落ち着いて自分の帆走に集中し、第1マークを3位で回航。上−下のレグでUSA艇とNOR艇を抜きトップに。続く日本チームの磯部・ウォルダー艇も順位をあげ、自艇に迫ってきました。終盤は自艇と磯部・ウォルダー艇でトップ争いの末、何とか自艇がトップフィニッシュ。磯部・ウォルダー艇も2位でフィニッシュし、着実に順位を上げてきた弥永・石川艇が3位で入り、最終レースでJPNチームが1、2、3フィニッシュを決めました。

 

 

 DSQがカットレースになり、総合5位。

強風では苦しい走りをしながらも、最終日の軽風で2−1−1とまとめ、満足のいく結果が出せたと思います。二人とも練習せずに出場したレースでしたが、今回の大会でスナイプの楽しさを再度実感することができました。日本から出場したお姉さま方、そして山本副会長には色々とお世話になりました。今後ともご指導宜しくお願い致します。

 

成績表はここ